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2014年10月号

【KEY MAN&AXIS】連続赤字、社長入院の任天堂に妖怪ウォッチの神風

とどまるところを知らない「妖怪ウォッチ」ブーム。関連グッズを販売すれば、おもちゃ屋には長蛇の列が生まれ、社会現象にまでなった。グッズを製造・販売するバンダイナムコは、年間販売計画をわずか3ヵ月間で達成。あまりの品薄にクレームが殺到したため、現在増産に励んでいる。

テレビ番組も高視聴率を稼ぎ、コミックの売り上げも急増している。12月には映画が公開されるが、特典付き前売り券を発売したところ瞬く間に売り切れた。妖怪ウォッチと名がつけばなんでもヒットする様相を呈してきた。

岩田聡社長もほっと一息?

この突然降ってわいたような妖怪ウォッチブームを、干天の慈雨のように感じているのが任天堂だ。というのも、妖怪ウォッチは「ニンテンドー3DS」用ソフトとして開発されたものだからだ。ブームが起きれば、当然、ソフトの売り上げも伸びていく。

スマホゲームに押され、任天堂の業績は依然、厳しい。前3月期まで3期連続で営業赤字を計上。その損失合計は1200億円に達する。3DSや「Wii」などのハードの売り上げが不振なだけでなく、ソフトのヒット作も少ない。さらに問題なのは、その状況を打開するメドも立っていない。

それだけでも大変なのに、再建に向け陣頭指揮を執らなければならない岩田聡社長は胆管に腫瘍が発見され、入院・手術。6月の株主総会の議長を務めることもできなかった。まさに泣きっ面に蜂である。

そこへ妖怪ウォッチブームである。7月10日に発売された3DS用ソフト「妖怪ウォッチ2」は、7月中に200万本を売る大ヒットとなった。今年発売された任天堂のゲーム用ソフトで、国内ミリオンセラーとなったのは、これが初めてなのだから、妖怪ウォッチブームさまさまといったところだ。

今後、任天堂ゲーム向けソフトとしては「大乱闘スマッシュブラザーズ」「モンスターハンター」など、ヒットが期待できる商品が次々と発売される予定だ。

妖怪ウォッチが呼び水となって任天堂ソフトの販売に勢いがつけば、病身の岩田社長にとっては、どんな治療法よりも効果がありそうだ。

2014年10月号 目次

特集ーマツダの底力
トヨタの恐れる マツダのエンジン革命
スカイアクティブを生んだ マツダの「モノ造り革新」
持たないがゆえの工夫 マツダ技術陣が追求した効率性
企業価値が高騰 マツダ争奪戦が始まった
ヨーロッパで高評価を受ける理由
市民球団広島東洋カープと マツダ創業家一族の関係
第2特集−今再びのディスコブーム
バブル世代は消費の牽引役
ディスコブームの変遷とリアル80'sの素性
バブルにするか、しないかは これからの6年間で決まる
風営法改正
アベノミクスの バブル変容への条件
レポート
Tモバイル買収断念! ソフトバンク「米国進出の前途」
参入続々でヒートアップ 格安スマホ市場争奪戦
インタビュー
薬のクチコミで注目を集める医師専門のソーシャルサイト
連載企画
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売上高大幅アップの秘訣は 「社員をほめて育てること」
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