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2014年10月号

【KEY MAN&AXIS】なぜ一人負け?利益4割減のダイハツ

消費税増税前の駆け込み需要の反動で苦戦が予想された自動車業界。第1四半期決算の焦点は、反動減がどれほどの大きさか、回復に向かいつつあるのか、が大方だった。

しかし、蓋を開けてみれば好決算が続出。トヨタ、ホンダ、スズキ、マツダ、三菱自動車が、第1四半期としては過去最高益を記録している。国内販売は落ち込んでいるものの、北米などの海外市場が絶好調。国内分のマイナスを十分カバーして決算としてはプラスの企業が多かった。

三井正則・ダイハツ社長

そんななか、ひとり大幅減益となったのが軽自動車の雄・ダイハツ工業。営業利益は42%減の251億円にとどまり、利益率も9%が5%台にまで落ち込んだ。

営業利益の変動要因を見ると、プラス材料は原価低減のみで、為替はインドネシアのルピア安が大きく響いてマイナス、車種構成もグレードの低い車種に偏りマイナス、年度内にコペン、ミライースに続いて4車種(年度合計6車種)の新型車の投入を予定していることから、開発・設備投資関連費用が大幅に増加してマイナスと、苦しい決算になってしまった。

なかでも決定的な減益要因になったのは、「受託・OEM事業」でのマイナスだ。ダイハツが軽自動車をOEMしている先は親会社のトヨタと、軽の自社生産から撤退した富士重工の2社。トヨタはもともと軽の販売には積極的でないし、富士重工に至ってはこの第1四半期の軽の販売台数が7000台と前年同期比43・2%減の大幅マイナスで、もはや軽を売る気がないと言えるような状況だ。

ダイハツの国内OEM生産は1万4000台減の4万3000台どまり。これはさらに減っていくことが予想される。自動車メーカーにとって、生産台数の減少は何よりも死活問題である。入江誠取締役は「後半に大幅に上振れする」と販売と業績の期初予想を変えない方針だが、OEMの穴を販売で埋めるには年間5万台以上の上乗せが必要となり、容易な数字ではない。

来年は軽自動車増税もあり、ダイハツには逆風がつづく。大きな変革が求められる時期に来ているのかもしれない。

2014年10月号 目次

特集ーマツダの底力
トヨタの恐れる マツダのエンジン革命
スカイアクティブを生んだ マツダの「モノ造り革新」
持たないがゆえの工夫 マツダ技術陣が追求した効率性
企業価値が高騰 マツダ争奪戦が始まった
ヨーロッパで高評価を受ける理由
市民球団広島東洋カープと マツダ創業家一族の関係
第2特集−今再びのディスコブーム
バブル世代は消費の牽引役
ディスコブームの変遷とリアル80'sの素性
バブルにするか、しないかは これからの6年間で決まる
風営法改正
アベノミクスの バブル変容への条件
レポート
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参入続々でヒートアップ 格安スマホ市場争奪戦
インタビュー
薬のクチコミで注目を集める医師専門のソーシャルサイト
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