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2014年10月号

【KEY MAN&AXIS】元シャープの社長を副会長に迎えた日本電産・永守社長

日本電産の創業社長・永守重信氏はこの8月28日、古希を迎えるが、次世代体制を睨んだ人事に布石を打った。それが、9月1日付で顧問に迎える元シャープ社長の片山幹雄氏(56)。同氏は10月以降、日本電産のCTO(最高技術責任者)として副会長に就任予定で、来年6月の株主総会後、代表取締役にも就く見込み。永守氏は過去、赤字企業を買収しては立て直した実績があるが、人材面でも、華々しい活躍をしている人物をスカウトするというより、新天地を与えることで再活性化させようというケースが多い。

人材も“立て直す”永守重信・日本電産社長。

片山氏の場合、副会長というポストが示す通り、将来の社長含みではなく、あくまで技術のスペシャリストというイメージだ。なぜなら、永守氏自身、技術屋でありながら数字にも明るく、財務戦略にも長けている。その意味では、後継者は日産自動車系の部品メーカー、カルソニックカンセイ前社長で現在、代表取締役副社長兼COOの呉文精氏(58)という線は動きそうにない。呉氏は、もともとは旧日本興業銀行出身で当然、数字にも明るいからだ。

現在、代表権を持っているのは永守氏、呉氏、そして創業メンバーとして永守氏を支えてきた小部博志氏の3氏。ここに来年、片山氏が加わることになるわけだが、人一倍厳しい指導で知られる永守氏のこと、片山氏も呉氏も役員として実績を出し続けることができなければ、両氏の代わりをまた、スカウトすることにもなりかねない。

永守氏はかねてより、売上高10兆円という大風呂敷(2014年3月期の売上高は8750億円)を掲げているが、その規模感はともかく、企業の方向性も徐々に変わってきている。

昨年、ホンダエレシスを買収した際は、これからは車載用モーターを軸に攻勢に出て、「“和製ボッシュ”を目指す」としたが、最近は「いつかは部品でなく完成品に打って出たい」と述べている。永守氏の目指すものがロボットなのか電気自動車なのか、それ以外のものなのかはわからないが、片山氏がその夢にどう貢献できるか注目だ。

2014年10月号 目次

特集ーマツダの底力
トヨタの恐れる マツダのエンジン革命
スカイアクティブを生んだ マツダの「モノ造り革新」
持たないがゆえの工夫 マツダ技術陣が追求した効率性
企業価値が高騰 マツダ争奪戦が始まった
ヨーロッパで高評価を受ける理由
市民球団広島東洋カープと マツダ創業家一族の関係
第2特集−今再びのディスコブーム
バブル世代は消費の牽引役
ディスコブームの変遷とリアル80'sの素性
バブルにするか、しないかは これからの6年間で決まる
風営法改正
アベノミクスの バブル変容への条件
レポート
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参入続々でヒートアップ 格安スマホ市場争奪戦
インタビュー
薬のクチコミで注目を集める医師専門のソーシャルサイト
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