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2014年10月号

【我がビジネス戦記】「あなたの不満買い取ります」不満買取センター 森田晋平

不満の中にビジネスのチャンスが潜んでいる――。住宅メーカーで働き、英会話教室を立ち上げた私が得た結論です。これが不満買取センターの原点です。

同時に、私にはもう1つの思いがありました。私がこれまで展開してきたビジネスは、英会話教室や知育教室、ゴルフスクールなど、「箱」を使ったものばかりです。その壁をぶち破りたかった。さらには、より公共性の高い事業を行いたいという思いもあった。それが不満買取センターを始めることにした2つ目の理由です。

ビジネスモデルは極めて単純です。不満を持っている方から1点10円で買い取り、その不満を1点5円で企業に売っています。1点につき5円の逆ザヤが出ることになりますが、複数の企業に売ることができますから、売る相手が増えれば増えるほど、売り上げも利益も上がるという構図です。

繰り返しになりますが、不満を買い取るというのは公共性の強いビジネスです。私としては、日本全国の目安箱として活用していただければと考えています。言い方を換えれば、私たちは不満買取センターというひとつの帆を上げました。これに向かって、不満という風を送っていただきたい。その風が、企業にとってビジネスのチャンスを生み、日本国民の生活が、少しでも便利に豊かになればいいと考えています。

もりた・しんぺい 1975年埼玉県生まれ。日本大学経済学部を卒業し積水ハウス入社。30歳で退社し、こども英語教室を開設。現在、埼玉・東京で6教室を数える。昨年、日常の不満を商品・サービスの品質向上に活用する目的で不満買取センターを設立、社長に就任した。

集まった不満を企業に引き渡す時は、固有名詞がある場合は配慮しますが、こちらで整理したり読みやすくするなどの加工は基本的には行いません。あくまでロウ(生)データを渡していく。そこがリサーチ会社との違いです。データの属性も提示しませんが、それも属性によってバイアスがかかることを防ぐためです。すべての不満を同じ条件で提供し、そこから何を汲み取るかは企業に任せるというスタンスです。

集めれば集めるほど、重複する不満が増えてきます。それでも私たちは、そのまま提供します。同じものがあるということは、多くの人がその問題の解決を望んでいるわけです。極端な言い方をすれば、世相を反映していることになるのです。

3段階の不満活用法

寄せられてくる不満の多くは、事業者にとってはよく知っているものばかりです。飲食店に対する不満が1000あれば、飲食店経営者ならそのほとんどに思い当たるでしょうし、すでに対応しているはずです。でも50に1つ、あるいは100に1つは、「あ、なるほど」という不満があるはずです。それを活用することで、自らのビジネスをもう一段高めることができるのです。

不満の活用は次の3つに分けることができます。

2014年10月号 目次

特集ーマツダの底力
トヨタの恐れる マツダのエンジン革命
スカイアクティブを生んだ マツダの「モノ造り革新」
持たないがゆえの工夫 マツダ技術陣が追求した効率性
企業価値が高騰 マツダ争奪戦が始まった
ヨーロッパで高評価を受ける理由
市民球団広島東洋カープと マツダ創業家一族の関係
第2特集−今再びのディスコブーム
バブル世代は消費の牽引役
ディスコブームの変遷とリアル80'sの素性
バブルにするか、しないかは これからの6年間で決まる
風営法改正
アベノミクスの バブル変容への条件
レポート
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参入続々でヒートアップ 格安スマホ市場争奪戦
インタビュー
薬のクチコミで注目を集める医師専門のソーシャルサイト
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