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2014年10月号

【我がビジネス戦記】【新連載】染野屋社長・小野篤人の「こだわり豆富で世界を目指す」

染野屋は、移動販売の豆富屋です(豆腐にあらず)。創業は文久2年(1862年)。150年を超える老舗です。

染野屋の豆富のいちばんのこだわりは、昔ながらの手づくりの味です。より具体的には「江戸時代の豆富づくり」を目指しています。ですから豆富の原料である大豆はすべて国産です。豆富の命である水も、水道水ではなく地下水を汲み上げています。にがりも、化学合成にがりではなく、海水からつくった天然にがりを使っていますし、すべての商品に対して合成添加物は一切使用していません。

そこまでこだわるのは、自分の家族に食べさせたいものをお客様にも食べていただきたいとの思いです。商品ではなく食べ物を提供する。そのためには味はもちろんですが、安全性も徹底的に追求しています。

店舗販売ではなく、移動車を使った直接販売に特化したのもそのためです。

スーパーに行けば豆富は簡単に手に入ります。その一方でスーパーで豆富を売ろうとすると、どうしても価格競争に巻き込まれてしまいます。

おの・あつと 1973年生まれ。立教大学卒業後、リース会社を経て輸入雑貨の代理店として独立。99年義父の急逝を受けて染野屋を引き継ぎ、2004年に法人化、社長に就任。移動販売に特化し、業績を拡大中。

その競争を勝ち抜くためには、原価を下げざるを得ないかもしれません。そうなると、安い外国産の大豆を使い、豆乳の濃度も薄くする。天然にがりでは固まらないため、化学凝固剤を入れることになり、味も水っぽくなる。そんな豆富を家族に食べさせたいとは思いません。ですから染野屋では、お客様に直接販売することにしたのです。

社員数240人、140台の移動販売車を持ち、茨城、千葉、東京、埼玉、神奈川の首都圏と、静岡県の一部で、お客様に直接販売しています。1日の生産量は大豆2500㌔分。豆富に換算すると2万5000丁になります。これを月に延べ16万人の方に買っていただいています。いまは首都圏+静岡県での販売ですが、5年以内には日本全国で染野屋の豆富を食べていただけるようにしたいですし、いずれは海外にも進出するつもりです。株式上場もそう遠くない将来に実現したいと考えています。

とはいえ10年ほど前までは、染野屋は歴史こそあるものの、茨城県取手市の、よくある街の豆富屋でした。そして私自身、染野屋の跡取り息子でもなんでもありませんでした。

2014年10月号 目次

特集ーマツダの底力
トヨタの恐れる マツダのエンジン革命
スカイアクティブを生んだ マツダの「モノ造り革新」
持たないがゆえの工夫 マツダ技術陣が追求した効率性
企業価値が高騰 マツダ争奪戦が始まった
ヨーロッパで高評価を受ける理由
市民球団広島東洋カープと マツダ創業家一族の関係
第2特集−今再びのディスコブーム
バブル世代は消費の牽引役
ディスコブームの変遷とリアル80'sの素性
バブルにするか、しないかは これからの6年間で決まる
風営法改正
アベノミクスの バブル変容への条件
レポート
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参入続々でヒートアップ 格安スマホ市場争奪戦
インタビュー
薬のクチコミで注目を集める医師専門のソーシャルサイト
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