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2015年09月号

派遣法改正から3年 コンプラ、ウェブの見直しで成長フェーズへ

坂巻一樹 フルキャスト ホールディングス社長

さかまき・かずき 1970年生まれ。1988年エーアイ通商入社。95年フルキャスト(現フルキャストHD)入社。2005年フルキャストHR総研(現フルキャスト)社長。07年フルキャスト執行役員業務推進部長、08年執行役員東海・関西営業部長等を経て、11年フルキャストHD取締役。14年社長に就任。

かつて日雇い派遣等の短期人材派遣ビジネスで一世を風靡したフルキャスト。事業停止命令やリーマンショック、労働者派遣法改正による日雇い派遣の原則禁止でビジネスモデルの転換を余儀なくされ、経営危機に直面した時期もあった。しかし、コンプライアンスの徹底と経営改革でV字回復。いかに経営危機を脱し、上昇気流に乗せたのか、坂巻一樹社長に話を聞いた。

創業事業の短期人材ビジネスを軸に、新たな事業展開も見据える。

短期の人材紹介ビジネス

―― フルキャストと言えば日雇い派遣のイメージを持っている人も多いと思いますが、2012年の派遣法改正で日雇い派遣が原則禁止となりました。現在はどのようなビジネスモデルに変わったのですか。

短期の労働市場に向けたサービスであることは、創業以来変わっていません。ただ、短期の派遣、日雇い派遣から、短期の人材紹介というサービスに変化しています。併せて、給与計算や雇い入れの書類等の雇用管理の代行業務もサービスメニューとして加えています。

―― 「派遣」を「紹介」に切り替えたと。

一見、似ているように思われがちですが、ビジネスモデル的には大転換です。派遣では我々が雇用主であり、給与計算や支払いも行っていますが、紹介になると雇用主はクライアントになります。最短で1日という短期就業向けの給与計算は、クライアントの業務フローが変わり、その業務は煩雑になってしまいます。そこで給与計算も代行するようにしました。

しかし、当初はかなり苦戦を強いられました。取引額で前年の70%くらいまで落ち込みました。その理由は、働くほうのニーズは変わらないのですが、クライアントが現状からの変化を避けたかったのです。雇用形態も契約形態も変わりますから、ほとんどの企業がネガティブな反応でした。

「例外規定」を利用して、そのまま派遣を希望する事業者が多かったのも理由の1つです。例外規定とは、世帯年収が500万円以上の方やシルバー世代の方等で、対象に該当する人材の割合としては半分ほどになり、適切に運用すれば 人材の供給が制限されることになります。

我々としては真摯に、働く方の環境整備や雇用責任といった法改正の趣旨をお伝えし、コンプライアンスを担保することを前提にサービスを組んだことをご説明しました。紹介でしたら例外規定はありませんので、ニーズに合った人材をマッチングすることができます。13年の秋ごろから、少しずつご理解をいただけ始めたことに加え、各業界で人手不足の話を聞くようになって、供給力の問題で派遣から紹介に切り替えるクライアントも増えていきました。

2015年09月号 目次

特集ーマツダ・スバルが好き!
マツダとスバル ─ トヨタも羨む〝独創力〟
伝統と革新が紡ぎだす 強烈なアイデンティティがファンをつかむ
先代より大幅〝シェイプアップ〟 受け継がれる「人馬一体」の志
〝レガシィの伝説〟に革命 ─ らしさを詰め込んだレヴォーグ
〝魂動デザイン〟の造形美をつくり出す プレス成型と塗装技術
石の上にも26年 ─ 看板商品になった 運転支援システム「アイサイト」
一般ファンを開拓した 技術力とマーケティング力
インタビュー
PER18倍が20年の目標に 懸念は中国経済の行方
派遣法改正から3年 コンプラ、ウェブの見直しで成長フェーズへ
現場力を引き上げて収益力の回復目指す
保険の基本は死亡保障 女性、経営者に力を入れる
カルピスと完全統合へ 3位アサヒ、かく戦う
戸建て住宅から世界市場まで 130年企業のグローバル戦略
IR CRIP
クラウドワークス
連載
「経営者の心構え」
住宅ローンに苦しむ人を 助ける「任意売却119番」
機能性・利便性とリーズナブルな価格で ビジネスマンのおしゃれを支える
ロボットは、アジアの未来を どう変えるか?
若者の大陸 アフリカ② アフリカ発のモバイル起業家たち