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2015年09月号

ロボットは、アジアの未来を どう変えるか?

沖田貴史 ベリトランス社長

おきた・たかし 1977年3月石川県生まれ。98年一橋大学在学中にインターンとしてサイバーキャッシュ( のちのSBI ベリトランス、現ベリトランス)に入社。卒業後、ソフトバンク・ファイナンスに入社し、サイバーキャッシュへ出向。その後転籍し、事業開発室長、取締役を経て、2005年にSBI ベリトランス社長COOに就任。12年ベリトランスに商号変更、デジタルガレージグループ入りし、執行役員社長兼CEO に就任。

6月20日、ソフトバンクがヒト型ロボット「Pepper」を一般向けに発売した。本体価格19万8000円に、会話機能等の基本アプリや保険を加えると、3年総額で100万円を超えるという高額にも関わらず、初回販売台数の1000台は1分で完売したという。

単なるハードウェアの提供に限らず、利用者がアプリをインストールして機能を追加できる仕組みを備えることで、特別な技術知識を持たない一般家庭での利用を念頭においている。現段階では話題性を見込んでイベントや受付等の法人用途での引き合いが多いようだ。

左から、アリババ創業者のジャック・マー氏、ソフトバンク社長の孫正義氏、鴻海CEOの郭台銘氏。

既に昨年から、ソフトバンクモバイルの旗艦店で接客する姿を見かけるほか、カラオケチェーン等でも受付業務を行っている。7月からは、時給1500円でロボットを派遣する「ロボット人材派遣サービス」を開始するということで、鳥取県がこの仕組みを使って、ロボット公務員を採用すると話題を集めている。

製造は、iPhoneの製造でも知られる電子機器の受託製造(EMS)世界最大手フォックスコン(鴻海)が手掛ける。月産1000台の体制を確保し、量産化によりコスト削減を狙う。加えて、単なる製造請負にとどまらず、ソフトバンクのロボット事業統括会社に145億円を出資、20%の株式を取得すると発表した。

この出資については、鴻海だけではなく、アリババも同条件での出資を行うというもので、発表の場には、ソフトバンク孫社長、アリババ創業者のジャック・マー氏、鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)氏というアジアを代表する経営者が姿を並べる豪華なものだった。余談だが、発表の翌日が、ソフトバンクの株主総会であり、取締役でもあるジャック・マー氏も当然出席する予定であったが、急な用事で不参加となった。それにもかかわらず、この発表会に姿を見せたのは、個人的には出資とともに驚く内容だった。

さて、ひとくちにロボットと言っても多岐に渡る。経産省のロボット政策研究会によると、ロボットの定義とは「センサー」「知能・制御」「駆動系」の3つを備えた「知能化された機械システム」ということであり、ファナック等に代表される産業ロボットも含まれる。

ただ、いわゆるヒト型ロボット(ヒューマノイド)と産業用ロボットとを分かつモノは、おそらく「感情」だろう。

1次産業や2次産業は、産業革命以降、機械化による著しい生産性の恩恵を受けたが、ロボットが感情を獲得することで、第3次産業にも、より進出し、破壊的な生産性向上が図れるかもしれない。

しかしながら、産業革命時のラッダイド(機械破壊)運動のような社会的軋轢を生むことも間違いない。ロボットがアジアの未来に、どう影響を与えるのか注視していきたい。

2015年09月号 目次

特集ーマツダ・スバルが好き!
マツダとスバル ─ トヨタも羨む〝独創力〟
伝統と革新が紡ぎだす 強烈なアイデンティティがファンをつかむ
先代より大幅〝シェイプアップ〟 受け継がれる「人馬一体」の志
〝レガシィの伝説〟に革命 ─ らしさを詰め込んだレヴォーグ
〝魂動デザイン〟の造形美をつくり出す プレス成型と塗装技術
石の上にも26年 ─ 看板商品になった 運転支援システム「アイサイト」
一般ファンを開拓した 技術力とマーケティング力
インタビュー
PER18倍が20年の目標に 懸念は中国経済の行方
派遣法改正から3年 コンプラ、ウェブの見直しで成長フェーズへ
現場力を引き上げて収益力の回復目指す
保険の基本は死亡保障 女性、経営者に力を入れる
カルピスと完全統合へ 3位アサヒ、かく戦う
戸建て住宅から世界市場まで 130年企業のグローバル戦略
IR CRIP
クラウドワークス
連載
「経営者の心構え」
住宅ローンに苦しむ人を 助ける「任意売却119番」
機能性・利便性とリーズナブルな価格で ビジネスマンのおしゃれを支える
ロボットは、アジアの未来を どう変えるか?
若者の大陸 アフリカ② アフリカ発のモバイル起業家たち