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2016年06月号

インド最大の オンラインエンジニアデータベース

Internet Business

さとう・てるひで 1975年生まれ。慶應義塾大学在学中からソフトバンクでオンライン決済事業(現ベリトランス社)の立ち上げに参画。2000年ネットプライス社長に就任。04年東証マザーズ上場。08年世界経済フォーラムより「YoungGlobal Leaders」に選出される。。2015年、シンガポールを拠点としたベンチャーファンドBEENEXTを設立。インド、東南アジア、日本、米国等、世界中のインターネット企業への投資を進め、グローバルな起業家ネットワークを構築中。

インドのテクノロジー産業を語る上で欠かせないのが、インド工科大学(IIT)の存在です。

IITの入学試験の倍率は100人にひとりと言われ、理系人材のひしめくインドのまさに最高峰の大学です。IITは、インド国内19ヵ所にキャンパスがあり、毎年約1万人が入学します。グーグルのピチャイCEOや、ソフトバンクのアローラ副社長もIIT出身ですし、スナップディールやフリップカートの両社ともにIIT卒業生が興した会社です。IIT以外にも、インドには優秀な理系の大学が数多く、IT関連産業団体NASSCOMによると、同国では毎年100万人の理系学生が卒業するとのことです。さらにソフトウェア開発の分野では、世界中で1820万人のソフトウェアエンジニアがいて、そのうちの275万人はインドにいます。さらに2017年にはその数は520万人になると言われ、米国の420万人を上回り、世界最大になる見込みです。

そんなインド独自の強みを背景に、2011年に立ち上がったHackerEarth という面白い会社がバンガロールにあります。創業者のSachin Gupta氏もIITの卒業生で、彼の同校在学中に、キャンパスで各企業が繰り広げる人材スカウティング合戦を見て、このサービスを思いつきました。ソフトウェアエンジニアとはいっても、当然そのスキルにはばらつきがあります。一方で、インド人は概して自己アピールが上手(?)なので、持っていないスキルでも持っているといってレジュメに書いたりすることはよくあります。そうすると、採用後に企業側のニーズと、人材のスキルがミスマッチするという問題が生じます。

そこで同社では、ソフトウェアエンジニアのスキルをリアルタイムに査定するWEBプラットフォームを立ち上げました。ソフトウェアエンジニアには、WEB上にお題が出され、それを次々にリアルタイムに解いていくことで、スキルを正しく評価します。スキル査定中には、キーボードの動きを補足したり、ランダムにWEBカメラが作動したりして、いわゆるカンニングも防止します。一方の企業サイドは、リアルタイムに査定されたスキル情報をベースに、エンジニアにコンタクトすることができ、採用活動をかけることができます。そして、採用が発生するとフィーを払う仕組みです。企業の採用ニーズに合わせて、さらに踏み込んでスキルを見極めるために、独自の自社ハッカソンをWEB上で開催することができ、ハッカソンに参加したエンジニアの特定のスキルの有無を見極める機能もついています。

同サービスは、開始から5年で既に70万人以上のエンジニアデータベースをかかえています。インドのみならず世界中のソフトウェアエンジニア需要増加に伴って登録数はこの半年で倍増しており、来年には200万人の登録を目標にしています。またクライアント企業には、インテル、HP、Intuitといった錚々たるグローバル企業が名を連ね、インドの強みを活かしたグローバルなサービスへと昇華しつつあります。インドのエンジニアを世界へ。まさに社名の通りの地球規模の会社になりそうです。

2016年06月号 目次

試し読み
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インド最大の オンラインエンジニアデータベース