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2017年08月号

価格上昇のビットコイン。2017年は仮想(暗号)通貨元年となるか?

沖田貴史 SBI大学院大学 特任教授

2017年に入り、仮想通貨の高騰が、止まらない。仮想通貨の代表格であるビットコインは、昨年6月には、1BTC(ビットコインの単位)あたり600ドルだったものが、17年初には1000ドルを突破し、6月初めの時点で3000ドル目前まで価格上昇が続いている。時価総額も5兆円を突破した。市場を牽引しているのは、ビットコインだけではない。同じく仮想通貨の代表例であるイーサリウムとXRPの上昇率は、1年間で10倍を超え、ビットコインを超える大幅な上昇を見せている。

火付け役は、私も役員を務めているRipple社がシステムを開発したXRPと言われている。昨年は、単位あたり価格は1弱で推移していたが、17年3月末に三菱東京UFJ銀行がRippleが組織する国際銀行コンソーシアムへの参加を発表したことをきっかけに相場が拡大し、5月半ばには40を突破した。その後は落ち着きを取り戻しているが、それでも時価総額は、1兆円を超える。

イーサリウムについては、その基盤技術の活用を目指す企業連合に、トヨタが参画するというニュースをきっかけに、一段の上昇を見せ、同じく時価総額は1兆円を大きく超えている。

これらの事情からは、日本発の相場上昇と言われることもあるが、通貨別のビットコイン取引の割合では、日本円は10%程度であり、50%近くは米ドルとの間での交換が占めている。

もちろん、米ドルを経由した日本円取引もあるので、単純に国別比較とはならないが、韓国ウォンについては、日本円と同等程度の取引ボリュームが見て取れる。XRPの上昇については、その韓国やメキシコなど、従来は取扱がしづらかった地域でも交換取引所が拡がったことで高騰を支える要因になったと分析されている。

さて、日本における仮想通貨の環境だが、4月に改正資金決済法が施行され、交換取引事業者(取引所)の登録が必要となった。半年間の猶予期間があるので、実際に登録が行われるのは、夏頃になると思われるが、これにより預かり資産保護等の利用者保護が進むことが期待される。

加えて、7月からは購入時の消費税が不要となるため、いわゆるミセスワタナベと呼ばれるFX個人投資家の資金が流れてくることも想定される。

主要仮想通貨は、決済や銀行間取引等の利用が想定される一方、現時点では投資・投機としての利用が、ほとんどである。ただ、投機の唯一といってもよい効用である流動性の増加は、実需としての利用には不可欠である。投機が中心となっている現状は、決して望ましいものではないが、通過儀礼としては必要な段階かもしれない。仮想通貨が投機に留まらず、実需でも使われるようになる時が、まさに真価を発揮する時であろう。

一方で、足元では、仮想通貨関連を騙る事故や詐欺も発生している。新たな産業や技術が勃興する際には、その話題性に目をつけて悪さを働くものもいる。真面目に運営している取引所や関連事業者からすると、大いに迷惑なことである。早期に業界団体等が整備され、自浄作用を発揮し、健全な発展が進むことが期待される。

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