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2017年09月号

IR CLIP インソース

証券コード: 東証マザーズ 6200

ワーカーのスキルアップで働き方改革を支援~緻密な〝ストーリー研修〟を提供するコンテンツ創造型研修企業

厚生労働省が6月30日に発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は、1・49倍となり、43年ぶりの高水準となった。あらゆる産業で人手不足が深刻化する一方、残業を削減し、働き方そのものを改革しようとする取り組みが、国を挙げて進む。

だが、厚生労働省による「平成28年版 労働経済の分析」による就業者の時間あたりの労働生産性をみると、実質、名目共に30㌦台。アメリカやイギリスなど主要国との比較では、1・5倍から2倍程度低い水準にあると指摘されている。そのことから、ワーカーの生産性アップが人手不足を補う方法の1つだと考えられる。

そこで、管理職、女性リーダー、交渉力などの階層別、スキル別の各種研修を自社で開発して運営。ワーカーのスキルアップに貢献しているのがインソースだ。IT(情報技術)やクリエイティブの力を総動員し、1人ひとりが腹落ちするよう設計された研修コンテンツは理解しやすく、年間40万人近い受講者の9割以上が満足する。既存人材の戦力化を急ぎたい組織側のニーズとも合致。2万社近い企業や官公庁と取引があり、なおも拡大中だ。

人手不足の恒常化が指摘される時代。ワーカー1人ひとりのスキルアップでカバーしたい。

緻密なストーリー

インソースの研修は、事業所に講師を派遣する「講師派遣型」と、ホームページなどで集客し、個人単位で任意の日程に参加可能な「公開講座」がある。双方とも一般的な座学のみの研修とは一線を画す。受講者の悩みに的確に答える内容が組まれ、ワークを通じて1人ひとりが発言できる上、ストーリー性を重視した構成が気づきや理解を促し、すぐ役立つスキルを学べるのだ。

まず、悩みに答えられるのは、受講者各々が抱える悩みや課題について、事前にアンケートを取るからで、それを講義で取り上げている。テキストは個人を特定しない程度にアンケートの内容を反映するなどし、研修の回ごとに作成する。この仕組みだと、隣の受講者同士で悩みを共有することもでき、お互いの共感から理解も深まっていくわけだ。

「後発での参入でしたので、差別化のために受講者の悩みを事前にアンケートして、それを基に研修内容を構成しようと考えました。創業以来積み重なった悩みの数は、今では100万件以上になります。これらを分類して実際の研修に活用できる体制を整えています」(舟橋孝之・代表取締役 執行役員社長)

自分の意見を発言できるのは、研修の6割をワークが占めているからだ。講師の話を聞くだけではなく、自分で考えて、発言をする。最後にグループごとに全体に向けて成果を発表するが、自分の発言内容も盛り込まれることで、納得感が増す。もちろん講師への質問も自由だ。

さらに、例えば「営業力アップ研修」の場合、〝大手企業を定年まで勤め上げ、経済的に余裕のある1人暮らしの60代の女性に対し、どのような投資信託商品を薦め、売るのか〟というように具体的な場面を想定。ロールプレイングの要領で対応を検討していくような内容が組まれる。そのプロセスの中には、出てくる気づきや疑問点までもが想定されており、研修全体がひとつの緻密なストーリーのようになっている。

「研修がいわば1幕の芝居のようになっているのです。研修のあらすじは脚本であり、これを社内で制作しています。いかに相手をひきつける脚本にするかが勝負で、この意味での〝ライバル〟は、ずばり劇団四季ですね」(舟橋社長)

メンタルケアが重要に

インソースでは、世相や顧客ニーズから毎月たくさんの新作研修をスタートしている。その中で、今後ニーズの高まりが予想されるテーマに「メンタルサポート」が挙げられる。

「働き方改革の浸透で労働時間への意識ばかりが高まってくると、これまで時間はかかってもコツコツと間違いのない仕事をこなしてきたワーカーには〝仕事が遅い〟というレッテルが張られかねません。働き方改革を、頑張ってきたワーカーにストレスを与え、貶める結果にしてはいけないと思います。そのためのケア、そして自発的なスキルアップへの動機づけが重要になってくるのではないでしょうか。私たちはその両方を担う受け皿になれます」(舟橋社長)

さらに、OJT(実務訓練)を担当する人に向けて、どのようなことを指導すべきかを学べる研修や、コンプライアンス研修、そして、組織に自身のキャリアを委ねるのではなく、自分で将来の「お金」や「仕事」、そして「ライフ」の観点からキャリアを考える 〝ワークライフマネー〟を身につける研修などもニーズがありそうだ。

仕事は人生を豊かにするものだ。多様でユニークな研修を通じて、ワーカーのスキルを上げ、働くことを楽しめる社会の実現に貢献していくことだろう。

2017年09月号 目次

試し読み
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IR CLIP インソース
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生田正治