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2018年01月号

地域資源を生かし障がい児 放課後デイサービスと 就労支援施設をFC展開

小林 真 シュナイト社長

こばやし・まこと 1968年、山形県生まれ。高校を卒業後、陸上自衛隊第20普通科連隊所属(神町駐屯地)任期満了後、クボタ、タルイシ(工作機械、工具販売)を経て、99年福祉用具レンタル販売・新築リフォーム業のウェルランドを設立、2011年NPO法人ひびきを設立し理事長に就任。15年シュナイトを設立、代表取締役。

稼働率は120%

── HPを見ると障がい児施設、林業などいろいろな事業を行っていますね。

事業のメーンは障がい児の放課後デイサービスのコンサルで、フランチャイズ事業のプロデュースです。そもそも障がい児の放課後デイサービスについては、このシュナイトの前、201 1年にNPO法人を立ち上げ、山形県内で運営しています。林業はもともと実家が林業農家なので、それを引き継いだものです。私自身のビジネスのスタートアップは1999年に立ち上げた福祉用具の会社なんです。

── いろいろな事業を経験されていますが、どのような経緯からですか。

私は高校卒業後、自衛隊に入り2年の任期を満了し退職。その後、機械工具を扱う会社などでサラリーマンをしながら、米作の兼業農家をやっていました。しかし、何かしなくてはと思い、介護保険制度が始まる1年前の99年に「これからは福祉だ」と思って、福祉用具を扱う会社を立ち上げたわけです。とはいえ、現実はそんなに甘くない。地獄も見ましたよ。それでも続けていくなかで、いまでは業界では知らない人はいないような会社になっています。

その後、2011年にある学校の先生から、授業を終えた放課後の障がい児の受け皿がなくて困っているという相談があったんです。そこで放課後デイサービスを行うNPO法人を作り、いまは就労支援施設も含め山形県内に6ヵ所の施設を運営しています。そして、NPOではいろいろ制約があるので、自由にできる会社が欲しいということと、他県でも放課後デイサービスを行う施設をフランチャイズ展開するのはNPOではできないため、このシュナイトを設立しました。

── 障がい児の放課後デイサービスとは具体的にはどのようことをしているのでしょうか。

外から見ると、子どもたちを自由に遊ばせているように見えるんですが、こうした施設は支援事業所といって、それぞれの子のプランを立てる人がいて、そのプランに基づいてわれわれ施設側もプランを作り、その目標を達成するよう支援していきます。たとえば、箸が使えない子には使えるようにする、買い物でお金の分別ができない子に買い物ができるようにするなどですね。もちろん、親御さんの要望も聞きながらやっています。親御さんには定期的に来てもらって、カフェ形式で話をしたりしています。加えて、福祉系の行政とか養護学校の先生に来てもらって、業務改善に役立てたりしています。

── 1つの施設には、何人ぐらいの子どもがいるのでしょうか。

定員は10人なんですが、現在は全施設が120%くらいの稼働率で、空き待ちという状況になっています。入っている子たちの年齢は、小学生から高校生までで、普通学校、養護学校どちらでもいいのですが、学校に通っているということが入所の条件になっています。

とはいっても、全員が毎日来るというわけではなく、週1回の子もいるなどそれぞれの家の事情で、まちまちになっています。

地域の資源を生かして

── そんな福祉施設と林業が同じ法人というのは、どうつながるのでしょうか。

林業については、これまで山をずっと放っていて、植林後ちょうど伐採期の40年目になってきたんですね。しかし、これまで何の手入れもしてなかったので、山が悲鳴を上げている。そこでやむなく始めたというところもあります。

しかし、やってみると実はこの施設との関連性があると、私の中ではきちんとストーリーになっているんです。それはうちではデイサービスを行う施設に加え、就労型施設もあるのですが、就労できる仕組みがないとデイサービスを卒業した子たちが普通のところに勤められません。仕事が地域の資源である山、そして、その山から出てくる薪とかプレカットといった木工加工品などの副産物をつくる製造ラインに子どもたちが入ることで、仕事につながると思っています。私自身が子どもたちに地域の資源を理解して、活用して生きていってほしいという信念ともつながっている。

── 林業は将来性はどうですか。

林業は化けそうな気がします。とはいっても、単に木を切り出すだけではなく、私たちは林業を〝素材生産〟と言っています。つまり、いまその素材を出す業者がないので私たちがそれになろうということです。林業そのものは17年4月から始めたばかりですが、そのやり方が見えてきて売り上げは約2000万円ほどになっています。

木材は単に柱だけでなく、丸太の芯の部分は柱に使い、それ以外はチップにして建材にできる。ドイツではそれを断熱材にしています。そういう工場を作りたいと思っています。こうした工場ができれば、そこで必要になる簡単な作業も出てきて施設の子たちが関われる。そして、施設の子たちを雇用することも可能になります。

── 放課後デイサービスのフランチャイズ事業についてはどう考えていますか。

いまFCに加盟していただいているのは2社です。1社は教育用品販売を50〜60年くらいやっている会社で5年くらい前に福祉用具に参入し、最近、介護デイサービスを始めています。もう1社は医療系のコンサルをやっているオーナーさんです。

将来的には、30社を目標にしています。それぞれの会社で3つの施設を持ってもらえば、東北全体で90ヵ所の施設ができる。そうなればシュナイトの施設のブランドである「POCCO」のブランディングも可能になると思っています。

2018年01月号 目次

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