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2018年02月号

IR CLIP 一家ダイニングプロジェクト

証券コード 東証マザーズ 9266

ここは第二の我が家~ 手厚いおもてなしで顧客を迎える 飲食店&ブライダル施設運営会社

若年層のアルコール離れや接待需要の減少など、お酒を飲む機会が減っていると指摘されるが、それでも1日働いたご褒美に酒場で飲む酒は格別だ。最近では、焼鳥などの専門居酒屋やラーメン店などが展開する〝ちょい飲み〟など新たな業態も広がる。

福岡・中州にある屋台の雰囲気を楽しめる「屋台屋 博多劇場」。

中でも、手厚いおもてなしや会員制度の導入など、個性的な顧客サービスで居酒屋業界の注目株なのが一家ダイニングプロジェクトだ。入店すると「いらっしゃいませ」ではなく「おかえりなさい」と出迎えられる「こだわりもん 一家」と、福岡・中州の雰囲気で手ごろな価格の屋台メシが楽しめる「屋台屋 博多劇場」の2業態の居酒屋を主力に、イタリアンワインバー、すし店を運営する飲食事業と、東京タワー(東京都港区)の目の前でブライダル施設「The Place of Tokyo」を展開するブライダル事業を手掛ける。2017年12月12日には、株式を東証マザーズ市場に新規上場し、新たな成長フェーズに入った。

集客の切り札 会員制度

現在直営31店舗を展開し、今後の出店の核となるのが博多中州の屋台村をイメージし、本物の屋台さながらの活気あるもてなしが特徴の屋台屋 博多劇場だ。名物の鉄鍋餃子が税別290円、串焼きが同120円から、ハイボールは同280円などと手頃な価格で、客単価は約2500円。

「7年前に中州へ行った時に、焼鳥、おでん、ラーメンなど30軒ほど連なる屋台をはしごしながら、この屋台を大集結させたような劇場型の居酒屋を展開すると喜ばれるのではないかと考え、業態として開発しました」(武長太郎・代表取締役社長)

一方、こだわりもん 一家は、「第二の我が家」がコンセプト。入店時のスタッフからの掛け声は「おかえりなさい」で、アットホーム感満点だ。料理長自ら各種の産地へ出向き、厳選した食材で料理が提供されるほか、ホールには女将が常駐。ディスプレー台にあるお勧め食材の数々は、顧客の好みに合わせて調理する。客単価は3800円程度で、屋台屋 博多劇場を上回るものの、小遣いが増えないお父さんたちには、リラックスを感じながらおいしく酒が飲める価格設定だ。

特に特徴的なのが会員制度の導入である。屋台屋 博多劇場では200円(税別)で会員になると、以降お通し代が無料になるほか、3回来店して「VIP会員」になると、グループ全員の1杯目の飲み物が1リットルの大きなジョッキにサイズアップ可能になる。10回来店の「プレミアム会員」もある。これを見たグループのメンバーも会員に興味を持つ仕組みだ。当初は「会員シール」を配布していたが、現在はスマートフォンのアプリ化。アプリは開始1年足らずで8万人以上が入会し、シール会員も含めると46万人を誇る。

「1店舗で毎月500名ほど会員になりますので、全30店舗以上では年間20万名以上会員が増える計算です。シール時代も含めた既存会員(約46万人)と合わせ、近い将来、100万人に対してダイレクトに集客できるコンテンツに育ちます」(武長社長)

会員には定期的にイベントを仕掛ける。例えば〝ホッチキスを持って来店するとドリンクサービス〟〝お玉を持って行くと鍋料理半額〟などで、顧客からは大好評だ。

ブライダル施設The Place of Tokyoは、チャペルから見上げられる夜の東京タワーが美しく、通常のブライダル施設では少ないナイトウエディングが好評。1会場あたりでみると午前、午後、夜の3回結婚式を設定でき17年3月期には1会場あたり191回転と、業界の中でも高い回転率で推移する。高効率運営がリーズナブルな価格も実現している。さらに17年9月末現在、結婚式場の口コミサイト『ウエディングパーク』では、都内900施設以上の中で、ベスト10に入るなど施設やサービスなど顧客からの評判も上々だ。

おもてなしプロデュース集団

顧客からの評価を獲得する源は人の力だ。一家ダイニングプロジェクトでは、顧客からの支持、売上や会員獲得など、総合的な評価から店のランキングを作成。長期にわたって上位に入っていた店舗に関しては「一家祭り」という社内イベントで、優秀店舗の日頃の取り組みとしてプレゼンテーションし、最優秀感動店舗賞を決める。また、アルバイトメンバーも含めた全スタッフに対する称賛の場も設けられている。

「〝おもてなしプロデュース集団〟として、人材教育には非常に力を入れています。例えば『一家ユニバーサルカレッジ』という人材育成の仕組みがあり、マインド、知識、スキル、コミュニケーションなど包括的カリキュラムを組んで、人材を育成する仕組みが整っています」(武長社長)

おもてなしができる包括的人材育成と積極的出店で、日本のおもてなしを発信していくリーディングカンパニーを目指す。

2018年02月号 目次

試し読み
段階的に進むキャッシュレス社会 デビットカードも順次浸透する
中東の砂漠を緑に変える 日本の技術が生んだフィルム農法
眼科医療の常識を変える 見えないものを見るレーザー
ホワイトカラーの業務に革命 RPAが導く仕事の生産性の向上
「会社から企業へ」がコンセプト 社員個々人が富を生む組織に
IR CLIP 一家ダイニングプロジェクト
2018年も続くか?ビットコイン狂騒曲