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2018年03月号

とまらぬ仮想通貨狂想曲 今年はブロックチェーン元年となるか!?

沖田貴史 SBI大学院大学 特任教授

おきた・たかし 1977年石川県生まれ。98年一橋大学在学中に、サイバーキャッシュ株式会社(現ベリトランス株式会社)の立ち上げに参加。2005年から10年間、代表取締役を務め、香港上場やアジア展開を加速。2016年5月より、SBI Ripple Asia株式会社 代表取締役。主な公職に、金融審議会専門委員など。

2017年から続く、仮想通貨の乱高下と混乱は、18年になっても、収まる様子はなさそうだ。

代表格であるビットコイン(BTC)は、11月に100万円の大台を突破し、12月中旬には200万円に到達した。その後、年末にかけて値を下げ、150万円を割り込んだが、年明けには、また200万円を試すような上昇を見せている。しかしながら、後述のような理由もあり、その後、再び150万円を割り込む水準となっている。

ビットコインに次ぐ規模を誇る「XRP」は、クリスマス前に1ドルを突破し、18年初には3ドルを上回ったが、1週間もたたずに、2ドルを割りこむ展開となっている。その他の代表的な通貨であるイーサリアムも、18年に入り、最初の10日ほどで90%近く急騰した後、調整局面となっている。

この間の、大きな混乱要因の1つは、韓国にある。実は韓国は、仮想通貨取引大国であり、一般市民の関心も高い。タイミングと通貨によっては、取引の4割程度を韓国内の取引所が占めることすらあるほどだ。

12月はじめに、韓国では仮想通貨取引を禁止するという噂が流れた。後に、この噂が否定されると、市場は一気に高騰を見せた。しかしながら、1月に入り、法務大臣の発言をきっかけに、取引所への規制を強めるという報道がなされると、再び混乱を見せている。

また、韓国において特徴的なのは、他国に比べて、仮想通貨価格が高いという点だ。比較的流動性の高い主要仮想通貨であっても、30~50%程度の高値で取引がなされている。

これは、おそらく韓国内における仮想通貨の買い需要が大きいためと考えられるが、このような内外価格差が生じる場合は、アービトラージ(裁定取引)によって、価格差が縮小していくことが一般的である。具体的には、例えば米国や日本で仮想通貨を買って、韓国で売るという取引を行うだけで、貿易のような利益を得ることができる。しかも、原油や小麦のような商品とは異なり、仮想通貨は移動に伴うコストや負担が本来的には少ない。

それでも価格差が常態化しているのには、様々な要因が考えられるが、事実として、通常では起こりづらい状況が韓国では発生している。そのため、大手の仮想通貨情報サイトでは、韓国の取引所価格を除外し、仮想通貨価格を表記するルールに年始から変更した。このことも、混乱に拍車をかけている。

このような混乱の中、著名投資家であるウォーレン・バフェット氏は、「仮想通貨は悪い結末を迎えるだろう」と強い否定を見せた。一方で、17年に「ビットコインは詐欺だ」と発言したJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは、その発言を後悔していると報道されている。仮想通貨については、賛否両論が相次ぐが、一方で、評価を固めたのが、ブロックチェーンであろう。

前述のダイモンCEOも、基盤技術であるブロックチェーンについては、本物と発言しており、仮想通貨に否定的な人でも、基盤技術までを否定するケースは、ほとんどない。

仮想通貨からも目は離せないが、18年はブロックチェーンの利用が加速する1年になるだろうと予想する。

2018年03月号 目次

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