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2018年04月号

IR CLIP ジェイ・エス・ビー

証券コード 東証2部 3480

不動産の有効活用策として注目 ~主に学生や高齢者を対象に 安心・安全な住まいを提供

今年も新生活を始める学生が街にやって来る季節になった。それまで長く暮らした地元から、全く土地勘のない場所に生活の拠点を移すのは、何かと不安なもの。

だが、これらを一挙に解決できるような「学生マンション」を不動産オーナーと共に企画・開発し、完成後の運営までを主力に展開するのがジェイ・エス・ビーである。入居者が学生同士というフラットな環境の中、自身の生活を組み立てられる。24時間管理体制など付加価値の創造にも積極的で、安心・安全な住まいの提供を使命とする。

一方で、高齢者の増加を背景として、安心・安全のコンセプトを移植した「サービス付き高齢者向け住宅」の展開も進める。

2017年7月には株式を新規上場。知名度のアップなどを背景に、物件の開発や入居率のさらなる向上へ期待が高まる。

ニーズの高い、安心・安全な住まいを提供している。

少子化の誤解

ジェイ・エス・ビーの売上の9割以上を占めるのが、学生マンションが中心の不動産賃貸管理事業だ。主なターゲットとしている学生は、少子化の影響を受け減少しているとする見方が一般的。だが実際は、文部科学省が発表した「平成29年度学校基本調査速報」によると、大学院生を含めた学生の総数は約289万1000人となり、前年比1万7000人あまり増加した。

「学生数にフォーカスしますと、過去15年以上にわたって、安定して推移しています。その要因として、女子学生の増加、さらに留学生の増加などが考えられ、今後も安定的な推移が見込まれています」(会社側)

一方で、大学が大都市に集中していることから、自宅外通学生もじりじり増加しており、セキュリティや機能性が高い学生マンションのニーズは高いとみられる。

「実際には、一般的な賃貸物件に入居するケースが多いとみられ、下宿市場における学生マンション事業者全体のシェアは約7%に過ぎません。そのことから、成長の余地は大きいと考えています」(会社側)

ジェイ・エス・ビーが展開する学生マンションなどは、不動産オーナーに対して不動産の有効活用策として企画提案し、竣工後の運営管理を受託するほか、一部は自社開発する。2017年4月末現在、全国に1584棟、6万154戸のマンションを運営している。オーナーにとっては、これからの時代を担う学生に住居を提供することから社会貢献性が高く、一般的なアパート建設とは異なるメリットがある。また、一般的に学生マンションは退去見込みを立てやすく、戦略的に入居者を募れることから、空室期間が短くできる。

不動産オーナーへの営業手法としては、建築会社、設計事務所、金融機関、税理士・会計事務所などからの紹介を中心に、独自調査による新規開拓と併用している。完成した学生マンションは、24時間の管理体制や独自のセキュリティシステムを採用し、安心・安全な環境を提供するほか、家具家電付きや食事付きなど、多様なニーズに応えるバリエーションを揃える。

入居する学生は、2017年10月末時点で全国に70店舗ある直営の営業店舗「UniLIfe」(ユニライフ)を通じ希望者を募る。合格発表前に無料で部屋を仮押さえできる「合格発表前予約システム」や、複数地域に志望校があり、部屋決定後に進学地域が変更になった場合に、契約金を変更後の地域の物件に充当できる「スライドシステム」など、自社が貸主だから実現するサービスを複数展開する。

今期は、石川県内で金沢工業大学生を主なターゲットに、自社開発の食事付き学生マンション「学生会館Uni E'meal金沢工大前」が竣工するほか、増加する外国人留学生に対しては、JR東日本グループと共同で、留学生と日本人学生が入居する国際シェアハウス「シェアリエットS東小金井」(東京都小金市)を開く予定だ。

脱・高齢者施設

政府が「入院から在宅へ」と旗を振り、整備が急がれるサービス付き高齢者住宅を運営する事業にも注力する。

「当社の高齢者住宅は、一般的な高齢者施設のイメージを払拭し、『住まい』として心地よく過ごしていただくよう設計しています。木目や濃色を用いた高級感のある内装を採用し、居室も25平方㍍を基本に、十分な広さを確保しています」(会社側)

さらに物件内に調理室を設け、季節感や食材にこだわったメニューを適温で提供するほか、介護をはじめ医療機関と提携や、物件によっては24時間看護師が常駐するなど、医療面でも安心して暮らせる。現在は関西、仙台、福岡を中心に、9棟、469戸を運営。今期は京都市右京区に「グランメゾン迎賓館京都嵐山Ⅱ」が開業。既進出地域へのドミナント展開を進める。

ますます高まる安心・安全な住まいへのニーズを追い風に、各ステークホルダーからの期待に応えていく。

2018年04月号 目次

試し読み
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