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2018年05月号

IR CLIP: LIFULL

(証券コード  東証1部 2120)

不動産情報サイトを核に領域拡大 ~世界中のライフデータベース &ソリューション企業へ

春からの新生活にあたり、不動産情報サイトにアクセスした人も多いだろう。今では物件概要、VR(拡張現実)技術を駆使した室内映像などで情報は充実している。

だが、さらにその先を行く情報サービスを提供するのがLIFULL(ライフル)だ。掲載物件数№1である「LIFULL HOME'S」を主力に、引越し、保険、空き家の有効活用を通じた地域おこしや不動産投資など、「住」をベースに、各種のライフデータを提供している。

「住」をベースに、様々なライフデータ提供サービスを展開する。

共通ブランド「LIFULL」

LIFULLは昨年4月、それまでの「ネクスト」が商号変更を実施して、誕生した。「LIFULL HOME'S」「LIFULL 引越し」など、運営するウェブ(メディア)や各種サービスに「LIFULL」を冠することで一体感を持たせるマスターブランド戦略を採用。PRを積極展開しており、ブランドの認知度も向上している。

中でも、LIFULLの祖業であり、核となるサービスはLIFULL HOME'Sだ。1997年4月に前身の「HOME'S」がスタート。自宅に居ながらサイト上で物件を探せるようになった。それまでは、地域の不動産店で分厚いファイルの中から希望物件を見つけていたのを根本から変えた草分けだ。

「私たちは不動産業界を変革しようと、事業を展開してきました。その中でLIFULL HOME'Sの戦略の柱は、『巨大なデータベースをつくる』『全国津々浦々にネットワークを築く』『強力なメディアをつくる』というもので、その強化に取り組んでいます」(井上高志・代表取締役社長)

特に、〝巨大なデータベース〟化は不動産取引を考える人は注目の取り組みである。4つのことが見える化できるからだ。まず「物件」である。北海道から沖縄の隅まで、全国にある賃貸、売買の物件100%網羅を目指す。次に「価格」だ。特に売買の場合、その相場はいまひとつ分かりづらく、同じような条件の物件で価格が異なることも珍しくない。そこで、サイト上の提示価格、実勢価格や過去の取引を蓄積して調整した参考価格などを表示。ユーザーの相場観醸成を促す。

さらに「性能評価」。心配な建物の状態やシロアリ調査などをLIFULLと契約する専門事業者が実施し、結果を明らかにしている。そして「不動産事業者の評価」。一部にサービス意識が低い事業者もあるとされる。業界の健全な発展のためにも、良い事業者が分かるようにしていく。不動産は賃貸も売買も決して安くはない取引。付加価値の高い情報で消費者をサポートする。

一方、不動産店にとっても、提示価格の根拠付けや自店の信用向上などでメリットが大きい。現在約2万7000ある取引先を早期に4万に増やす計画だ。

より良い社会に繋がる事業

サービスの広がりも見逃せない。その1つが「LIFULL HOME'S 空き家バンク」だ。2033年には国内1/3の住宅が空き家になるとの予測があり問題は深刻だ。そこで、特に地方自治体と提携を結び、そこに建つ空き家の情報を、サイトを通じて無料で発信する。  

物件の立地などによっては介護拠点や保育施設、民泊に衣替えしたほうがよい場合もある。そこで、取引を考えるユーザーは、LIFULLから「住む」以外の活用法の情報収集を行うことも可能だ。社会貢献度の高いものには、クラウドファンディングを通じて資金調達も手伝うほか、仮に民泊施設を開設すると、楽天との共同出資である「楽天LIFULL STAY」が提供予定の民泊プラットフォームを活用して集客を図ることもできる。地域に人の流れを生み、活性化の糸口としていく。現在400自治体と提携し、増加基調にある。

展開するサービスに共通するのが世の中の様々な「不」を解消し、より良い社会にしたいという思いだ。

「売上だけを求めてサービスを展開しているのではありません。社会問題や業界の課題など、これらから起こりうることを予測しながら、その解決も目指しているのです。不安、不満、不便…。私たちのサービスを通じてこれらを取り除き、安心への懸け橋にしたいと考えています」(井上社長)

直近では、賃貸においてウェブ上で物件の内覧から重要事項説明、契約まで完結すするサービスを開始した。今後は、国内外の物件などに数万円資金を投入できる不動産投資や、国内から海外、海外から海外への居住物件の紹介なども視野に入れ、グローバル展開の事業も強化予定。20年度には、500億円台の売上、EBITDA20%の実現を目指す。

LIFULLは社名の通り、私たちの生活(LIFE)基盤を複数の情報サービスを通じて支え、安心や喜びの最大化(FULL)に貢献していく。

2018年05月号 目次

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