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2018年10月号

日本でも相次ぐ新規参入 QRコードスマホ決済サービス

沖田貴史 SBI大学院大学 特任教授

おきた・たかし 1977年石川県生まれ。98年一橋大学在学中に、サイバーキャッシュ株式会社(現ベリトランス株式会社)の立ち上げに参加。2005年から10年間、代表取締役を務め、香港上場やアジア展開を加速。2016年5月より、SBI Ripple Asia株式会社 代表取締役。主な公職に、金融審議会専門委員など。

QRコード(二次元バーコード)を活用した実店舗でのスマホ決済に、ネット大手が続々と参入している。

そもそもQRコード決済は、中国のAlipayなどのネット決済大手が、店頭決済に進出する際に活用・普及が進んだものであり、日本でも当初はインバウンドの観点で注目を集めていた。

日本人向けには、LINEや楽天が早期に参入していたが、2018年に入り、キャッシュレス化に向けた取り組みとして、NTTドコモが「d払い」を開始し、6月に上場したメルカリも決済子会社を立ち上げ参入を窺っている。

また、4月に参入を表明していたYahoo!は、ソフトバンクと合弁会社「PayPay」を立ち上げ、今秋からサービスを開始する予定だ。

中国やインド等で、QRコード決済が普及した背景は、カード決済や電子マネーのような決済専用端末が不要で、店舗側の導入負荷が軽いためと言われている。

具体的な仕組みは、2種類ある。支払者が、自らのスマホ上の決済アプリでQRコードを表示し、店舗がそのバーコードを読み取るCPM(消費者提示型)と呼ばれる方式と、店舗のQRコードを支払者がアプリ上のカメラで読み込むMPM(店舗提示型)という方式である。

個人商店や屋台などでの普及を後押ししたのは、このMPMである。特に、QRコードを印刷して、店頭に掲示しておくやり方は、支払者の決済完了画面を目視するアナログ運用をとれば、店主はスマホを持っている必要すらない。

ただ、シンプルな仕組みであるため、不正も容易である。一番単純な方法は、店頭に貼ってあるQRコードの上に、別のQRコードを貼り付けるものである。また、入金金額を支払者が入力する手間もあり、金額を誤って入力していないか、支払者・店舗の双方が確認する必要がある。

このような問題を回避するため、印刷されたQRコードでの決済は上限額が決められ、また店舗用決済アプリ上で表示されるQRコードは、一定間隔で更新される動的コードとなっていることが多く、金額情報を含んで表示することも可能である。

また、コンビニやドラッグストアなどでは、アルバイト店員による運用を簡単にするためにも、CPMが主流であり、POSレジを改修して対応を行っている。

上述の通り、様々なプレイヤーが参入してくることにより、競争が進むことは利用者にとって望ましい。既に、LINEやPayPayは、一部手数料を数年間無料にする方針を発表している。

とは言え、乱立の弊害もある。まず支払者は、店舗がどの決済を受け入れているかが分かりづらい。また、MPM方式で各サービスごとのQRコードが印刷掲示されていたり、CPM方式の場合でレジ操作がまごつくようであれば、電子マネーの普及期のような問題が再発するかもしれない。

そのため、各種統一化の議論が活発化している。うまく統一が図られれば、普及に弾みがつくが、新たなガラパゴスや利権を産むようであれば、逆効果になる危険性もはらむ。

2018年10月号 目次

試し読み
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日本でも相次ぐ新規参入 QRコードスマホ決済サービス
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